ハウルの動く城って、なんか脚本が駄目じゃない?

今日、金曜ロードショーでやってて、ハウルの動く城を見た。

多分二度目か三度目。

前回見た時も「なんだ? なんなんだこの話は?」となってしまって、全然頭に入らず。

 

今回は適当な気分で見始めたので、まずはルックスとかに注目して「イメージとか細かいアニメーションすごいなー」と絵の素晴らしさは堪能できました。

うん、ほんとすごいよね。

街なんか全部動いているし、描き込み凄いし、普通の予算のアニメじゃ絶対に無理だと確信できるジブリこその別格の絵。

あと、雰囲気もいいなぁというシーンがある。

 

ただし、ここまでは1シーンの「絵」「動き」「雰囲気」だけに着目した場合。

1シーンごとは大変よろしいんですよ。

でも、それが連結されて一つの話にされると「あれ?」なものになっている。

 

まず、何が問題で何が中心で何がゴールかわからない。

話って大体問題があるわけですよ。

そして、その問題を中心として話が動くわけですよ。

現実には問題と全然関係ないことがバカスカ起こって注意が散漫になるけど、物語というのはその問題と関係したことが立て続けに起こるから「興味が持続して注意が散漫にならない」んですよ。

 

例えば、「恋人が浮気しているの!」という問題が発生したとして、その後の展開が「テストで点数が悪い」とか「税金が上がった」とか全然関係ないことばかりで、最後に「テストの点がよくなったよ!」とハッピーエンディングなフリされても「え? あれ? 恋人の浮気の問題は?」ってなりません?

※もしならないという人がいたら、多分物語の見方が違うので、きっと自分の意見を聞いても無駄だと思います。

 

なんか、この話って……

 

・中心がソフィーの問題(呪いとかコンプレックスとか)

・脇に戦争の問題とハウルの秘密とかがある。

・しかし、作中で描くことが多すぎるのか、話の展開中にソフィーの問題に注意がいかない。他のところに注意が行く。

・最後、「戦争終わりそうだね」とハッピーエンディングだけど、ソフィーの問題とかが解消されていない(ように感じる)。もしかしたら解消されているのかもしれないが、(設定的にはどうあれ)視聴者の心情的には経過を追っていないので「え? あれ? いつのまにか問題なくなったの?」と思わずに入られない。

 

結果:さっき話したダメな例のように、当初の問題と関係ない展開が続いて、解決しないままエンディングを迎える。という、見ている人が「俺は何を見ているんだ……」と混乱する脚本になってませんか?

 

最後はハッピーエンディングだし、上手くシーンを繋いでいけば「あぁ、おもしろかった」という見方はできると思う。

特に不満を感じない人も居るだろう。

しかし、自分が見ていると「中心はソフィーの問題だから、それについていろいろ描写されるんだろうなー」と思って見ていて、「ん? あれ? 戦争の話? あれ? ハウルの話? ん? ん???」と混乱する。

 

ネットで解説を探していたら、

 

●話の方向性がない『ハウルの動く城』(EJ第1510号)

 

という記事を見つけて、「あ、まさにそれだ」と思った。

話に方向性が無いんだよ。

メインテーマが合って、その周りにサブエピソードがつくのはいい。

でも、映画って普通のアニメとかドラマより短いので、サブエピソードが豊富だとメインテーマがうす~くなっちゃう。

 

戦争を描くなら戦争を中心に描けばいいし、ソフィーの問題を描くならそれを中心に描けばいい。

「ハウルを使って戦争を描こうとしたけど、元々ソフィーの話なのでそれを残したまま構成したら、どこに注目していいのかわかんない作品になった」

という感じだと思う。

 

うーん、もうちょっとなんとかならなかったんでしょうか……

 

■追記

「思い出のマーニー」を見ました。

こっちはよかったです。

普通に感動しました。

他でも指摘されているように「マーニーに実在感がない」という問題はありますが、やっぱり心交わす系の話って心に来ます。

EDはうるうるしていました……

(感動系って苦手なんですが、なんで苦手かというとなまじ心にくるから安心して見れないのです)

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