一言で言うと、「納得できない感」がつよい。
原作の『あなたの人生の物語』も読んだことあるけど、「アイディアとしてはおもしろい。でも、リアリティがなさ過ぎてとても飲み込めない」という印象だった。
ネタバレしてしまうと、時間の前後の区別がない知性体の文字を読んでいくうちに、それを解読している言語学者の世界の捉え方も変化していき、過去・未来・現在を区別無く認識できるようになるってあらすじだ。
それは小説も映画も同じ。
アイディアとしては面白くて、「全く違う思考形態の文化に触れるうちにその考え方をするようになってしまう」と言う異文化コミュニケーションを宇宙人に拡大した物だと思う。
でも、「世界の捉え方が変わる」のは超能力を得ることではないので、この作品のように未来予知能力が付いてしまうのは明らかにおかしいと思う。
もうちょっとファンタジックなSFで「未来予知できるようになりましたー」だったら突っ込まないんだけど、リアリティあるっぽく描いているSFでそういうことをされると「おいおい、あり得ないだろ」と突っ込まざるを得ない。
アイディアは面白いんだけど、それを自分のような人間に納得させるようなギミックを入れてくれればよかったんだけど、それが全然無かったのが残念。
現状だと「ありえねーよ」を連呼してしまう作品でした。
あとは、原作を知っているのでそれもあって楽しめなかったのかも知れない。